2011.11.05

79.スイス銀行のオレの口座に入れてくれ。

Photo ・・・と、のたまったのはゴルゴではなく、うちの大家。

家賃の入金履歴をロシアの銀行の口座に残したくない・・・早い話が脱税のためであり、そんなことには加担できないときっぱり断ったのだが、こんな相談を、しかも履歴の残るメールで持ちかけてくる大家って大丈夫なのか?と不安になったものだった。

しかし、しばらくこの国で暮らしていると、ロシア人にとって『裏ネゴ』に対するハードルがやたらと低いことに気がつく。

家の賃貸ひとつとっても、例えば、契約書上の家賃と実際支払っている家賃との額が違っているとか、支払いは毎回ニコニコ現金払いでとか、いずれも脱税のためだが、そんな例は幾らでもみつかるし珍しくもない。

警察もしかり。

ロシアでは、外国人もロシア人も常にパスポート携帯義務があるが、街中で警察に提示を求められて運悪く不携帯だった場合にも、お金で解決出来るというのはもはや誰もが知るところだ。先般、知り合いが運転中に違反で捕まった際、やっぱりお金ということになったそうだが、警察にとっても一応後ろめたいことであるため『知らないうちに俺のポケットにお金が入っていた』という体裁におさまるよう、上手く誘導されるのだという。最終的に4000p(約10,000円)でカタがついたそう。

消費者向けの企業サービスも。

夫が、スポーツジムの見学に行った時、結構高めの年会費を聞いてどうしようかなあという空気になった時、先方からすかさずディスカウントの打診があった。ロシアでそれなりに手広く展開している大型のスポーツジム会社なのだが、ディスカウントについてはHPにもどこにも表示されておらず、プリントされた金額表を見せられることも無く、白い紙に数字をいくつか書き込みつつ口頭のやり取りで金額が決まってしまった。

語学学校で知り合った生徒と先生が裏でネゴって双方にとってよりよい条件で家庭教師をお願いする、なんていうのもロシアではよく見聞きする。これ、日本では禁じ手だろう。

ベビーシッターやドライバー、家庭教師などの紹介派遣業者が紹介の部分のみに課金し、その後の条件や金額は当事者同士で決めてくれ、というスタイルのところが多いのは、日本のように労働時間や時給まで管理しようと思ってもどうせ裏でネゴられてしまうからだと思われる。

賄賂世界No1のロシア(*1)。

ロシア入国ビザは、2週間待てば無料で発行してもらえるのだが、お金を払えば時間が短縮できる。このシステムはロシアの実態をすごく象徴していると思う。

上記地図は『腐敗認識指数マップ』(*2)。

ロシア・・・・アカグロイ・・・。

*1 トランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International):腐敗、特に汚職に対して取り組む国際的な非政府組織は、企業が海外進出の際に現地で支払う賄賂の状況を指数で表した2011年版の「贈賄番付」を発表した。日本の「清潔度」は主要28カ国・地域中4位で、前回08年の5位から一つ順位を上げた。最下位は前回と同じロシア27位は中国だった。同組織は、資源開発やインフラ投資で世界経済における存在感を強める両国の清潔度が低いことに「特別の懸念」を表明した
調査では、各国の実業家約3000人に企業による贈賄の状況を尋ね、数値化した。(2011年11月2日)

*2 「腐敗認識指数」は、トランスペアレンシー・インターナショナルが、1995年以来毎年公開しているもので、公務員と政治家がどの程度腐敗していると認識されるか、その度合を国際比較し、国別にランキングしたもの。ロシア146位/180ヶ国中。日本は17位

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2011.10.25

78.ロシア語バリア。

Photo ロシアでは殆ど英語が使えない。

英語だって大して喋れないし・・・という人だって、外国で、例えばExit(出口)看板みたいな街中での基本的な情報を確認するのに英語を使っている筈。

ロシアではそうはいかない。

モスクワの空港に降り立つと、パスポートコントロールでまず洗礼を受ける。街中に向かうタクシーの中からみえる道の標識や店の看板もロシア語オンリー。

地下鉄の標識も、切符売り場のおばちゃんも、そして乗り換え案内表も、とにもかくにも徹底的に英語が付記されておらず、かつその字面からは意味を想像することも困難なため、ロシア語の簡単な仕組みだけでも分かっていないと、ちょっとしたことでも大変な苦労をするなんとモスクワ随一の観光名所、赤の広場そしてクレムリン内の展示物説明さえ例外ではない。(写真: выходは出口・・・ホラ、全然ワカらないでしょ。)

モスクワに来たばかりの頃のこと。

買物からタクシーで帰宅途中、夫が会社に寄るというので私は先に帰ることにした。夫が去った後『待たずに先に帰るので、車を出して下さい』というようなことを英語で運転手に伝えたが、残念ながらというか当然というか運転手にはまったく伝わらず、夫を待つと思ったらしい彼はエンジンを切って携帯をいじり始めた。私は、何とか意図を伝えようと単語を変えたり、単語数をどんどん減らしたりして、結局最終的に『Go home !』なんてところまで行き着いた。ところがこれでも伝わらず、運転手は『分からん』という顔してまた携帯をいじり始める。

どうだ、ゴーホームさえ通じないこの恐怖。いっぺん味わったらもう二度とタクシーなど乗るものかとしばらく家に引きこもりたくもなる。

アメリカから来たはずのスターバックスでさえ、メニューボードは全部ロシア語なので、事前に予習をしておかないとまともに注文出来ない。ドリップコーヒーを頼もうとして理解してもらえず、仕方ないのでカウンタに身を乗り出して機械を指差し、あれだあれをくれ、とアクロバティックに注文。その後、ドリップコーヒーをロシア語でなんていうのか調べ、それがこんなに長いСвежеприготовленный кофе(スベージプリガトゥブリエンヌイ コーフェ)名前なもんでカタカナで読み仮名を書き、なんども発音練習をしてから注文に臨むのだが、悲しいかな、長すぎて正しく読むことさえままならず、緊張も手伝ってカウンターでうまく舌が回らず、結局理解してもらえずにまたカウンターに乗り出す・・・・という体たらく。

夫はスーパーで塩солвが買えなかったという。実物が確認できない食材はトリッキーなので、私は未だにスーパーには辞書を持ってゆき、分からないときは人目をはばからずにその場で調べる。一度、袋の絵を見てワッフルミックスを買ったつもりが実は粉砂糖で、最後まで気づかずにワッフルパンを爆発させてしまったことがあったからだ。

日本人だけでなくこの国の外国人は皆同じように苦労している。

ロシア語学校では、国を超えて互いにその大変さを愚痴りあったものだ。英語のフリーペーパーに『ロシアで言葉が分からなくて困ったエピソード募集中!』なんて告知があったりしてなかな微笑ましい。先日も新聞に『外国人旅行者を打ちのめす地下鉄窓口のロシア語バリア』みたいな記事があり、そのあたり考えていかないとソチオリンピックも控えてることだしさ・・・というようなことが書いてあった。Img_2936

でも、すぐに英語が通じないと憤慨するのはこの国ではナンセンスなのだと気づく。それほど遠くないかつてアメリカは敵国だったわけで、ロシアは自分たちの言葉を近隣諸国に勉強させてきた国なのだから。

ロシア語のテキスト(写真)、国の名前を勉強する項目で、アメリカは下から3番目。ドイツ、フィンランドよりも扱いが下。ちなみに日本の記載は無く・・・書き足した。

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2011.10.20

77.只今ロシア中。

8sdzfxibr8tyw0_2 ロシアに来て早くも1年が過ぎてしまった。

こんなブログを書いてきたくらいだし、なんとなく海外慣れしてきたつもりだったけど、この国はなかなか新鮮で強烈。頭に冷や水をかぶせられるようなカルチャーショックをこの年になって体験するとは。

たとえて言うなら、地球の裏側に来てしまった・・・という感じだろうか。政治的にも文化的にも日本はチームアメリカだったのだということに改めて気づかされる日々。

・・・そうした驚きがアタリマエになってしまう前に、ちゃんとロシアを書いておこうと、重い腰を上げてブログをたたき起こしてみました。

前回の投稿からなんとびっくり2年が経過。というか、定期的に更新していたのは06年までなわけでそれから息も絶え絶え、そして停止。(でもひっそりと時計と天気だけロシア仕様にしてみた・・・1年前だけど。)

それなのに沢山の方がブログを覘いてて下さりありがとうございます。

心を入れ替えて(?)モスクワからはりきってブログ更新いたします。

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2009.09.27

76.・・・に行ってまいりました。

Angkorcookies_4   世界中から集まるアンコールワット観光客を受け入れる小さな街、シェムリアップの土産物屋で『アンコールクッキー』なるものを発見。

旅行客に喜ばれるカンボジアならではのお土産を作りたい、そしてこのビジネスを通じてカンボジアに雇用を創造したい・・・と奮起した、とある日本人女性が今から5年程前、現地で制作・販売を始めたのだという。

なるほど、素晴らしい志と着眼点。

こうした、職場やご近所などに配るためのお土産って、情緒はなくともオトナにはやっぱり必要だから、アジア諸国などあまりその手のお土産が売ってない国へ旅したりすると、結構悩ましい。確かタイに行った時だったか、適当なものが見つからず、仕方なくタイ版エビセンのようなものを職場に買って帰ったら、1週間たってもほとんど量が減らず、気まずくてこっそり持ち帰ったことがあったっけ。

ところで、すごく興味深いのは、こうした『行ってきました土産』って、結局無難なクッキーかチョコに落ち着くんだいうこと。先記の彼女の場合も、カンボジアのお土産としてどのようなものがベストかと、一からさんざん思案した結果、やっぱクッキーだよね、ということになったらしい。

他になんかないだろうか?もっと個性的な『行ってきました土産』が。

まず必要な要件としては、①どこの国に行ってきたかがわかる ②皆に配れるよう小分けになっている。③日持ちする ④万人受けする味 ⑤寒暖に強い

例えば日本のお土産を外国に買ってゆく場合を想定してみる。せんべい、饅頭、八橋・・・日本ならではのものって、世界万人受けするのかちょっと微妙だし、日持ちも心配。あ、でも、鳩サブレなんか良いのでは?? やっぱり結局思いつくのは、粉・タマゴ・バター・砂糖でできたつまりほぼクッキーだ。Photo_3

ハワイのホノルルクッキーカンパニー も 10年ほど前から同じようなコンセプトでホノルルのメインストリートに店を増やし続けている。もう、店内は日本人客でいつもいっぱい。私もまんまと何箱も買ったクチだが、①~⑤すべての条件を完璧に満たすクッキーはやっぱり、キング・オブ・ミヤゲ。

『行ってきましたみやげ』に困った国、例えばタイなんかでは、ココナツ味のゾウ型、インドではカレー風味でタージマハル型の、そしてモロッコではミント味のラクダ型のクッキーなんか売ってみたらどうだろうか?

売れると思うんだけど。

*ちなみに味は、カンボジアクッキー★★、パイナップルクッキー★★★って感じ。特にパイナップルクッキーのホワイトチョコレートがついたやつ凄く旨い。星4つ。

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2008.11.07

75.禁断の瀉血体験。

瀉血(しゃけつ)―E78089e8a180e8838ce4b8ad2_3

いわゆる血抜療法は、韓国では『ブファン』といって広く一般的に行われている治療法なのらしい。治療にあたる医者はきちんとした東洋医学専門の医学部を出ており、東洋医学がまだ民間治療の域を超えていない日本とはかなり状況が異なるようだ。

私の瀉血治療に付き添ってくれた友人(韓国人)はまだ20代前半という若さだけれども、小さなころから行きつけの決まった韓医院(ハニウォン)があって、それは、

『捻挫とか肩こりとか・・・骨以外の症状であれば、基本的には血を抜いて直すかな。』

という感じ。どうだ、このアタリマエ感。さすが大長今(チャングム)の国だと改めて感動するのであった。

治療は問診から始まり、その症状によってプランを組むのだが、いわゆる肩こりのような症状に対してはコースも用意されており、とりあえずそれをやってもらうことにする。

まずは体をほぐし、血の巡りを良くするためにローラーベッドでゴリゴリ揉まれたり、サウナスーツみたいなので蒸されたりするのが約30分程度。頭がくわんくわんしてきた頃に、瀉血にあたっての合意事項がまとめられたもの(日本語)を渡され、サインを求められる。いよいよ、看護婦さんは、はんこ型のピストン注射のような器具を、一番力が出しやすいように、こう、針の部分が下になる形でグー握りし、一気に私の肩から背中にかけて凄い勢いで刺し始める。もう、ためらうことなく、火サスの殺人シーンみたいな勢いで、ブスブスとやられる。

動揺収まる隙もなく、看護婦さんの手はガラスのカッピンググラスを手際よく貼り付けはじめる。中を真空状態とするため、強力に吸いつかれる感じだ。それからわりとすぐ、カッピンググラスの一つを外し、その跡をガーゼで拭って『成果物』が披露される。如何にも毒素が溶け込んでそうな赤黒い、ドロリとした血に眉をひそめて見せたものの、こっそり大満足。

が、本当に感動したのは施術後。

今までどんなマッサージをほどこしても抜け切らなかった肩こりが、信じられないくらいすっきりと軽くなり、しかもその効果が2週間は続いたのだ。

残念ながら、血抜きのためだけに流石に韓国に通うわけにはゆかない私は、日本に帰るとどこか日本でも瀉血療法を施している医院がないかとネットで検索をしてみたのだが・・・気分が悪くなって早々に取りやめた。

一度検索してみれば理由が分かってもらえるはず。世の中にはおぞましい趣味を持つ人たちが沢山いるのだ。

*写真は参考画像(私ではない)。

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